Old steel

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マルゼン ダフコ スーパーII アイアン

生産年式 1990年前後(推定) 日本橋丸善のゴルフブランド、ダフコによるモデルと思われる。現在に残ることのなかった多くのモデルと同様、組織が現存しても、製品を理解するための公式の情報は乏しい。メディアに残る情報と、貴重な経験者からの伝聞によって理解しているが、その製品はオーダーによるものとされている。現在では書籍の印象が強い丸善だが、基本は商事会社。立地も伴って、バブルに沸く老舗の富裕層を顧客に抱え、広く知られることがなかったモデルだ。そんなビジネススタイルからも、製品も独自の開発に長けることもなく、現存が確認できるモデルは、高品質を認めるが、何かに似ている印象を受ける。このモデルの入手に当たっては、同じブランドのパーシモンウッドもあり、そのクラウンには、注文主と思われる個人名が転写マークで残っていた。しかし、そのネームの耐久性は非常に乏しく、クリア塗装でカバーされていたが、軽く磨いただけで剥がれ落ちた。本来パーシモンのオーダーといえば、フォルムも含めて個人に合わせるものだが、出来上がっていたものにネームが入れられたような印象を拭えない。バブル期の商事会社のビジネス、顧客をにらんだ高品質には申し分ないが、ゴルフギアとしてのコンセプトには、特筆すべき観察ポイントはない。写真にある2番アイアンはダンロップDP-301。

ゴルフプランナー GP-7 アイアン

生産年式 1990年代(不明)いまだにブランドとしては残るものの、運営企業体としては別組織となっている。従って、整理された資料の存在は望めない。1992年にGP-1というモデルを年鑑カタログに確認した。GP-7が後継モデルなのか、または併行したコンセプトの違うモデルなのも不明だ、GP-3というモデルは、2番アイアンで確認している。一般的なイメージには、今に残るトブンダブランドや、イグニオ、フィットウェイといったイメージが勝り、こうした真面目なモデルを作っていたことは、ほとんど知られていない。このモデルに限って観察してみると、80年代後半に多くの上級者が好んだモデルに似ている部分が多く、オリジナルというよりは、既にプレーヤーたちに受け入れられているモデルをベースにアレンジされたモデルと思われる。だが、セットとなるウェッジには、それとは異なる特徴的なシルエットもあり、一概に視覚的に似ているモデルとして理解するには惜しいモデルだ。特筆するべき機能やデザインはないものの、一般的なプロモデルとしてよくできたモデルだ。写真はオリジナルがカーボンシャフトであったが、スチールシャフトに差し替えているもの。セルなどもオリジナルではない。

ゼット アルカディア ザ・プロⅢ アイアン

生産年式 1980年後半(推定)現在では野球用品の大手であるゼットが、過去にゴルフ用品も生産していた。1980年後半には杉本英世プロとの契約でゴルフクラブのみならず、総合的な用品を販売していた。アルカディアもゼットのゴルフ用品に共通したネーミングだ。このプロ3というモデルは、1988年の年鑑カタログに掲載があるが、プロ1が敢えて言うならばスポルディングのイメージがあるデザインで、プロ2はパワーバーデザイン。即ちウィルソン的で、このプロ3は見ての通りマクレガー985に似たモデル。当時はノウハウもなく、しかし商機を逃さんとしたメーカーのゴルフ参入の陰には、長きにわたり生産に従事していた中小メーカーのノウハウがあり、こういったシリーズも、そうした中小からの持ち込み企画が多かったといわれる。当世流のアレンジとして、長めのブレードで、ホーゼルも低い デザイン。ソールから見るトウ側へのウェイトも抑えられているが、中高重心で伸びのある低い弾道のモデルとされるのは、このスタイルに共通したメディアのコメントだ。現在に残る組織に詳細を問い合わせたところ、1991年のカタログをお送りいただいた。それによるとプロIは杉本英世プロのモデルと告知されており、また、プロIIIのデータがあったので、記録として写真下に転載する。

ゼット アルカディア プロモデル2000 アイアン

生産年式 1980年代後半(推定)ゼットといえば、現代では野球用品のメーカーだが、そうしたメーカーが過去に総合スポーツ用品メーカーであったことはよくあることだ。現在に残る組織による情報では、ゴルフ用品にかかわるものを確認できなかったが、88年の年鑑カタログに掲載があり、ヒッティングポイントを広げ、ややセンター寄り、飛びと方向性がよいとされている。このモデルを観察すると、トウが高くてヒールの低い、典型的なドローフェイスだが、バックデザインでは特徴的にトウのソール側を三角に削り落としている。また、時代的な流行もあり、このモデルのバランスはBバランスだ。カタログ掲載のデーターでは、プレシジョンとダイナミックゴールドのシャフトが準備されていたようだが、このモデルはオリジナルの軽量スチール。それも当時多かったLiteではなく、Lightの表示のシャフトバンドが巻かれている。シャフトは機能する範囲で、糸のように細く軽量であれば、最大のヘッドスピードが出せるといわれた時代。現代の感覚で振ってみると、軽量である上に軽いバランスは、全く異質な感覚が必要なモデルだ。現在に残る会社組織に詳細を問い合わせたが、バランスに関する情報の資料がなかった。1991年のカタログを提供いただき、ドライビングアイアンからのスペックの掲載があったので、写真下に記録しておく。